補助金申請専門の「蜂谷行政書士事務所」所長の蜂谷です。
今回は、「そもそも補助金って何?」という基本的な事から「どの補助金にも共通する採択される申請のコツ」といった、補助金申請において、理解しておくべき「基本だけど重要なポイント」を解説していきます。
本記事を読めば補助金の基礎理解ができます。
※今回解説する「補助金」は、「サポカー補助金」などの個人の消費生活向けの補助金ではなく、事業者の経営に対する「補助金」の解説です。
結論
補助金を利用する理由は、新しい事業の取り組みを、低リスクで実施できて、より大きな収益アップが見込めるため
補助金の申請が採択されるには良い事業計画を作る
以下で理由を解説します。
そもそも補助金とは??
補助金は各補助金の趣旨に沿った事業の取り組みに対して掛かる経費を補助してくれるものです。
また補助金は、補助対象事業者が、書類を提出する形式で申請を行いますが、要件を満たした申請の全部が採択される訳ではなく、数ある申請のうち、補助金の趣旨に沿った中身の良い申請が優先的に採択されます。
具体的な審査観点は、
そもそも補助対象事業者であるかどうかや、補助金の趣旨に沿った事業の取り組みを行うかどうかです。
補助金を利用する事で得られる具体的メリット4選
補助金を利用する事で得られるメリットは4つあります。
国のお金を利用し、モノをお得に購入できるため
補助金は、国や地方自治体などから支給されます。
そのお金は勿論、自分の財布からの出費ではありませんので、自己負担額が少なく補助対象物の購入ができます。
補助対象物を100万円で購入した場合に「1/2」の補助であれば、後に50万円が支給されます。
補助金ごとに最大補助額は定められていますが、購入額が大きければ大きいほどお得です。
収益(事業)拡大の取り組みに関して補助が出るため
基本的に収益を上げる場合は何らかのアクションを行う必要があります。
具体的には、新商品開発、新分野展開、新設備導入、販促活動などです。
そしてその事業取り組みにかかる費用に対して補助が出ますので、手元から出る出費を抑えながら事業拡大の為の購入ができます。
他事業者と比較し出費を抑えて事業拡大ができるため
相対的な考えになりますが、ライバルの事業者が100万円で設備導入を行なった場合に、もしそれが補助対象設備であれば、同じ物を自社が購入するとしたら、それを補助金で購入することになれば、「1/2」補助だとした場合、実質50万円で購入できます。
これがより高額な支払いであったり、繰り返し補助金申請を行い、補助を受けて購入したとなれば、数年後にはとんでもない金額の差が生じる事になります。
これは逆の考えもできます。
もし自社が補助金を使わずに購入をして、ライバルの事業者が補助金を利用して購入を行っていた場合は、手元に残る金額は、かなり変わってきます。
補助金は返済不要のもらえるお金
補助金は融資と違って返済の必要はありません(補助金の取り組みルールを破った場合の補助金の返還などはあります)。
また保証人や担保といったルールもありませんので、融資よりも低リスクでお得に事業の取り組みができます。
どの補助金にも共通する注意点
自己負担がゼロの場合はほとんどない
多くの補助金は、使った金額のうち「1/2」を補助するといった、割合的補助がほとんどです。
つまり、補助率が「100%」の補助金はほぼ存在せず、多くの場合において、自己負担部分があります。
なので、「自己負担なく補助金が貰える」とは考えないようにしてください。
補助金は基本的に後払い
補助金は後払いが基本です。
補助金の受け取るまでの流れを簡単に説明しますと、以下の流れになります。
申請書類提出→審査→採択決定通知→補助事業実施(補助対象経費購入)→補助事業の実績報告書や購入した補助対象経費の金額がわかる証拠書類の提出→補助金交付
つまり補助対象物は、まずは自己資金から購入する必要があり、自己資金では足りない場合は、自身で借り入れ(融資)を行う必要があります。
採択されるために意識するポイント
この章では補助金申請において採択されるために抑えるべきポイントを記載していきます。
良い事業計画書を書く
採択されるために大前提の部分です。
補助金申請において、他者事業者との一番の差別化は「事業計画」の中身です。
事業計画の質が良いか悪いかによって採択か不採択に分かれると考えて頂いて構いません。
補助事業を行う事により実現できる成長戦略を事業計画書に記載する
多くの補助金に共通する狙いとしては、「現状打開」があります。
それは、好調な事業を更に拡大する為の「現状打開」や、コロナ渦での販売不振を回復する為の「現状打開」と言った幅広いパターンに当てはまります。
ですので、事業計画を考える場合は、何をどうする事により「現状打開」をするかの記載が必要です。
具体的には、下記の二パターンが多くの事業者に当てまるのではないでしょうか。
・自社の強みを更に活かし、更なる事業拡大を狙う「現状打開」
・弱みを改善し、事業回復をする事による「現状打開」
実現可能な事業計画を記載する
補助金を支給する側としては、どんな魅力的な事業計画であっても、その事業者が実現できないような計画では採択しません。
なので事業計画は自社において、実現可能な計画かを考えて作成しましょう。
実現可能かの確認部分は、「人員規模」「技術レベル」などです。
審査観点は、「競合優位性」「独自性」「市場ニーズ性」の3つが基本
審査側は各事業者の事業計画書を確認して採択か不採択かを決めるわけですが、決める方法としては審査員一人一人が独自の基準で判断をする訳ではなく、チェックリストがありその中の要件を満たしているかを判断します。
チェックリストは非公開で、細かい確認部分は補助金毎に異なるのですが、「競合優位性」、「独自性」、「市場ニーズ」はどの補助金にも共通のチェック項目となっているので抑えておくようにしましょう。
「競合優位性」は、他の事業者と比較して、自社の商品を買う理由があるか。
「独自性」は、他の事業者で行っていない取り組みかどうか(多くの補助金において見たことのない画期的レベルではなく、珍しいレベルでも問題ありませんが、独自性が高いに越したことはないです)。
「市場ニーズ生」は、自社商品を欲しいと思う顧客規模は一定数以上あるのか。
をそれぞれ明確に述べられるようにしましょう。
補助金の指針を理解する
採択される事業計画を書くには、各補助金の指針を理解する必要があります。
また、指針を理解するには、各補助金の公式サイトから公募要領をダウンロードして見るのが良いです。
指針を理解する必要性は、下記の通りです。
・補助金を出す側の国や地方公共団体、法人側の勧めたい政策を押し出すため(コロナ対策を進めるための「小規模事業者低感染リスク補助金など」)
・補助を出した事業の結果を知りたいため
補助金申請をする理由が「とりあえず補助金を貰うため」では駄目
上記発想で補助金申請を行っても、大抵の場合は不採択ですし、もし採択されても、作り込みを行っていない買い物が目的の補助事業計画ではうまくいきません。
言い換えれば、「補助金を活用して自社事業の発展を目指す」気持ちでないといけません。
採択されやすい補助金
これまでは採択されるための申請のポイントを解説しましたが、
ここでは、そもそも採択されやすい補助金の見つけ方を解説します。
そもそも補助金自体は、お金を配りたいから実施をしているわけで、「落としてやろう」と思って審査をしていると言うことはありません。
しかし、補助金の予算には限りがありますので、予算枠よりも多くの申請があった場合は、その中から補助金を交付するのに適した事業者を選ぶ必要が出てきます。
なので人気のない補助金や、申請をするハードルが高い補助金においては申請数が少なくなるため、倍率が低くなり多少申請書類のクオリティーが低くても申請が採択される事があります。
なのでまとめますと、下記要件を満たした補助金が採択されやすい補助金です。
- 申請方法や提出物が難解
- 特定の事業者向けの補助金
- 補助金交付までのプロセスが面倒(長い)
- 新しい補助金
最後に
今回は補助金申請において知っておくべき基本的事項と、採択されるコツや採択されやすい補助金の見つけ方を解説しました。
当行政書士事務所は補助金申請専門であり、お客様に適した補助金のご案内が可能です。
初回相談は無料で実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。